新宿から見た渋谷(6月21日)
2008年 06月 21日
そんな渋谷の街にあきたらない大人に対して、2000年にオープンした渋谷マークシティは「オトナ発信地」と名づけられた。とはいえ、マークシティはホテルとオフィスビルをメインとする建物で、店舗の数がそれほど多いわけでもない。わざわざ出かけてくる人の数はどれほどなのだろうか。
渋谷の繁華街としての地位は現在では新宿とは比較にもならない。副都心線も開通し、新宿駅南口~新宿高島屋~伊勢丹~歌舞伎町~新宿駅東口と巡る平坦な街並は、世界一の繁華街として今後20年はにぎわうことだろう。大規模なプロジェクトがいくつも進行中だ。
渋谷は副都心というかつての立場を返上し、原宿、恵比寿と張り合う程度の規模となることを覚悟した方がよいのかもしれない。汐留、六本木、東京駅、品川などの再開発に追随することにメリットがあるのだろうか。
渋谷は独特の地形と歴史を活かした、坂と路地と緑のエリアからなる、多彩な文化を育む場となることを期待したい。そのメッセージを渋谷で活動するアーティストなどに発信してほしいと思うのだ。1999年にビットバレー構想の宣言があって今年で10年目になる。グーグルをはじめとするIT関係の会社が多いにもかかわらず、そのイメージも十分に生かされていないのは残念なことだ。
新宿の街を歩き、渋谷の将来の可能性について思いをめぐらしてみた。