渋谷はどうなる(6月17日)
2008年 06月 17日
まちがいないことは、東急文化会館の跡地に地上33階建てのビルができる2012年春まで、副都心線の渋谷駅を降りて魅力的なのは地下駅そのものだけという状態が続くことだ。池袋方面から来る人たちは、渋谷の地下駅を見て地上に出ずに折り返し、原宿か新宿の街に出るということも想像できる。渋谷駅東口のデッキ等の関連工事は2017年春頃まであるというから、東口は景観の面でこれから10年の間は魅力の乏しいエリアであることは否定しがたい。
更に2012年に東横線の駅が地下になると、東横線から銀座線に乗換える人はほとんどなくなるだろう。地下5階から地上3階まで上がるより半蔵門線に乗換えた方が便利だし、中目黒や田園調布から地下鉄へのアクセスがすでにできている。山手線の利用客も副都心線に流れるはずだ。
渋谷の商圏人口は更に減ることが予測できる。渋谷がかつて果たしてきた東急線沿線のショッピング街の役割を記憶する世代が少なくなる上、2010年には二子玉川の再開発事業が完成して、田園都市線の客すらせき止められる。若い人たちが全国から集まるファッションの街は原宿から表参道一帯になりそうだ。
しかしこんな渋谷にも強みはある。駅前に巨大なバスターミナルがあることだ。バスから電車に乗換えずに用の足せる街、自転車でも来やすい街にするといい。そうしてアーチストやさまざまな国の文化が集まってくるようになれば、それを目当てに電車で来る人も出てくるだろう。これから再開発をするということで、新しい建物を作ることだけを考えている余裕などないはずだ。
109の前もハチ公前広場もいつもより人が少ないという印象は、思い過ごしだったのだろうか。