円山町のざくろ(8月31日)
2007年 08月 31日
これは永井荷風が明治43年(1910年)に書いた「立ち見」(荷風全集7巻所収)の一節。円山町の花街、ラブホテル街も藝術の天地として見ることができるものなのか、ということで引用してみた。
荷風の文はもう100年近く昔に書かれたものなのだが、江戸情緒を懐かしむ下町散策コースに人気があるような昨今、必ずしも古いとはいえないだろう。現在の吉原のことは知らないが、もしかしたら、東京に江戸吉原の情緒を求めるとすると、円山町がふさわしいところなのかも知れない。
せめて円山町で見つけたこんな石榴(ざくろ)の木は残ってほしいと思う。ちなみに石榴の花言葉は「優美」「愚かしさ」だそうだ。