ブチでの飲み方(8月16日)
2007年 08月 16日
昔の西部劇のスタイルが合う店でもある。
「ジョン・ウェインとかランドルフ・スコットなんかが、西部の町のバーのスイングドアを肩で押して入ってくる。カウンターの前に立って『ウイスキー』とだけ言い、ダブルグラスにナミナミとつがれたバーボンをグィッと一口であおって、コインをパチンとカウンターに置いて出て行く」というスタイル。
そこで、「カウンターに左ヒジをついて、左によりかかって腰の力を少し抜き、ヤクザポーズで店内眺め回す。目つきにも少し凝って、少しやるせなさを漂わせ、少し世の中をすねた感じも漂わせて見る。ふっと力を抜き、ひと休みし、ほんのちょっと物思いにふけったりする。立ち飲みやでは長居はヤボだ。サッと飲んでサッと出た。『エチケットをわきまえたかっこいい紳士だな』と店の人に思われたにちがいない。いやいや、『あの人金ないんだ。一緒に来るお友達もいないんだ。嫌われてるんだ。寂しいんだ』なんて思われたのかもしれない。」(東海林さだお「ゴハンの丸かじり」から)
なんてことを頭の隅に置いてブチに行くと楽しみが倍増するだろう。