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東大駒場キャンパス周辺・渋谷WESTの地域情報を紹介


by mtejima1
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江戸と駒場(5月12日)

駒場は明治政府の象徴の一つでもある駒場農学校、第一高等学校がその基盤となった街だ。そんな駒場のすぐそばの大橋2丁目に、1974年から目黒区の社会教育団体として認定されている『江戸のよさを見直す会』がある。
『江戸のよさを見直す会』の新著『江戸楽のすすめ・生きる』を著者からいただき、早速読ませていただいた。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b/503-4569563-5691910?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%8D%5D%8C%CB%8Ay%82%CC%82%B7%82%B7%82%DF&Go.x=7&Go.y=11

江戸のよさというのは、明治政府による近代化政策が否定してきたものといってもよい。繊細な江戸しぐさからは程遠いものが、旧制高校のバンカラの風潮の中にはあった。学生たちは江戸の悪弊から自由に天下国家を考えることが期待されていたのだろうか。そして「栄華の巷低く見て」と一高寮歌を歌った人たちが社会の中枢にはいっていった。一方で進歩主義、立身出世主義を否定するような「一切の政治権力や社会的権威に対し完全に独立している通人」であった江戸しぐさの担い手たちは消えていく運命だったのか。
江戸しぐさは結果的には公共広告機構で取り上げられているようにマナーに見えるのかもしれないが、実は考え方なのだそうである。ふとアルゼンチンタンゴの踊り方も江戸しぐさの一つとして考えてもよいのではないかとも思ったりする。
「江戸しぐさ」という言葉になじみやすい浅草や日本橋などではなく、東大の大学院総合文化研究科や先端科学技術研究センターがあり、国際的な雰囲気もある駒場一帯だからこそ、江戸しぐさの考え方に関心をもつ人が増えてくることは意義があるだろう。そうして「生涯学習」ではなく「生涯付き合い」のできる地域ができれば素晴らしいことなのだが。
by mtejima1 | 2007-05-12 21:26 | 地域社会