駒場のロクちゃん(12月19日)
2007年 12月 19日
ロクちゃんというのは中国系のマレーシア人のようで、漢字で鹿と書く。となりの割烹英香と、ちょっと先の食堂菱田屋の2件でアルバイトをしていたそうだ。日本語ができないのに、なんとか仕事をこなしていたらしい。朝来て水をまくと加減を知らないのかあちこちが水浸しになっていたという思い出も話してくれた。服はどうせマレーシアでは暑くて着れないから、ということで、フリーマーケットで買うようにアドバイスしたりもしたとか。帰国するときには「家族で食べてね」とお菓子を渡したら涙を流していたよ、と懐かしがっていた。
ろくちゃんというと、掘北真希の演ずる映画『三丁目の夕日』の六子を思い浮かべる人も多いだろう。映画では青森から働きにきていた六ちゃんとの心のふれあいが描かれている。
でも今の時代は世界中から若い人が来ている。映画で美化されている昭和30年代よりも今の方がさまざまな人との心の触れ合いの機会があるのではないかとも思う。
「さぶちゃん」「ろくちゃん」と、駒場では人の話題にことかかない。でもそんなことはどこでもあることで、それを知らない人たちが映画の話を見て、失われた美しい過去として憧れるのではないのかというのはいいすぎだろうか。